令和初開催となる夏の甲子園大会、昨年第100回記念大会の大阪桐蔭高校に続いて、履正社高校が大阪勢として2大会連続優勝となる悲願の初優勝を飾ったその夜、ホテル・アゴーラ大阪守口において、青年部内外130名超の方々にお集まりいただき、我が北大阪YEGでは初めての試みとなる8月度例会「北大阪版故郷の新しい風会議」を盛大に開催いたしました。当風会議例会は、商工会議所設立の父である渋沢栄一翁の精神を受け継ぐ渋澤健氏の基調講演にはじまり、昨年度策定した北大阪YEG中期ビジョン、そして今年度スローガンに掲げた「北大阪YEG2.0」を具現化する事業でありました。また、竹田恒泰氏による7月度講演会に続く連続公開例会としての位置づけでもあり、ご多忙のところ、ご臨席たまわりました国家公務員・地方公務員・北大阪商工会議所本会の皆さまをはじめとする関係者の方々に、会を代表してあらためて御礼申し上げます。
基調講演において渋澤健氏は、栄一翁が『論語と算盤』で説かれた人生訓である「目先の結果や私利私欲にとらわれず、思考の枠や過去の成功体験を超えて、枠の外からの視点をもって、見えない未来を辛抱強く信じよ」という思考の重要性を引用されたのちに、これらは現在のSDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)の考え方にもつうずるものであり、新たな価値を創出するためには二者択一という思考にとどまらず、思考の枠を超え様々な視点を組み合わせる「と」の力が大事であると説かれました。SDGsにおいて重要な観点は、現在の事業の延長として「できる」ことだけにフォーカスするのではなく、「やりたい」というところからバックキャスティング(逆算)することであり、「できる」ことの積み重ねと「やりたい」ことのバックキャスティングが出会うとき、そこに新たな価値が創造されるということを教えていただきました。
提言活動とは、「できる」ことの積み重ねと「やりたい」ことのバックキャスティングの「と」の模索・試行錯誤のプロセスであり、まさに我々の未来価値を定義・創造する活動であると痛感いたしました。こののちも、地域行政を支える公務員・本会職員の方々との密接な交流と意見交換を継続的におこないながら、名実ともに我が地域発展の一翼を担うことを青年部メンバーの皆さまとともに目指してまいりたいと思います。2020年からの、新たな「繁栄サイクルの時代」を築くべく、我が提言委員会の活動、「と」の力の実践に引き続きご期待ください!
会長 北角 強