会長所信

北大阪商工会議所青年部
令和5年度会長 亀岡 健太郎

令和5年度スローガン

互敬相笑(ごけいあいしょう)
敬意と感謝を響きあわせ、個と共を両得させよう

はじめに

昭和57年に設立された北大阪YEGは、令和4年度に40周年を迎えました。先輩の方々の弛まぬ努力の甲斐あり、会員数は400名を超え、日本YEG加盟単会の中で会員数が一番多い単会に成長しました。

40周年記念事業には多くの一般市民の方にご参加いただき、記念式典においては他単会、各連合会から多数のご参加をいただきました。さらに、日本YEG第40回全国会長研修会「笑売繁盛 喜多大阪会議」の主管を担い、この地域に全国各地のYEGメンバーを迎え、地域の行政、企業、経済団体に北大阪YEGの存在を知らしめることができました。新型コロナウイルス感染拡大の中、交流が否定された数年間においても「何かできる方法はないか」と創意工夫をこらし、歩みを止めずに活動してきた成果ともいえる、とても晴れがましく誇らしい一年となりました。

大きな節目を良き形で過ごし、新時代の扉を開いた私たちにとって、本年度は北大阪YEGにとって新たな挑戦の始まりとなります。40周年記念式典で発表された中期ビジョン(2022-2026)「想像を超えた未来をこの手に、壮大な未来をこの胸に!!」にもあるように、目まぐるしい環境の変化のなかで社会課題やニーズに柔軟に対応し、北大阪YEGとしての使命を果たし続けていかなければなりません。

コロナ禍、ウクライナ戦争などの社会情勢は否応なく立ちふさがります。円安、原料高、人手不足と負の要因を数え上げればきりがありません。しかし、大阪・関西万博が開催される2025年も近づき、うめきた二区、IRなど大阪エリアにおける経済活性の芽も見えています。足元では枚方市駅前再開発、そして何より北大阪商工会議所新会館建築と、私たち青年経済人の想像力や行動力が求められる機会に満ちています。メンバー同士のビジネスが北大阪YEGの大きな魅力です。さらに一歩踏み込み、お互いの力を合わせて新しいビジネスを創出するなど、前向きにビジネスに向き合いたいと考えています。

商工会議所の生みの親、渋沢栄一氏の玄孫、渋澤健氏が「と(&)の力」というものを提唱されています。「論語と算盤」のように、一見矛盾する異分子を、いかに両立させるか試行錯誤することが、新たな創造へとつながります。北大阪YEGには多数のメンバーが加入されています。その一人ひとりが多様な業種、業態に従事され、社内の立場も違います。その多様性こそが財産であり、真のスケールメリットの源泉です。時代の流れとして、性別、国籍など、今後さらなる多様性を受け止め、組織の力にすることも期待されています。多様な個(個人、個社)と共(北大阪商工会議所、単会、連合会、地域のつながり)の「得」が両立する組織への成長に挑戦しましょう。

公明正大な意思決定

私たちに対する内外からの信用は、その意思決定の公明正大さに裏付けられると考えます。この北大阪YEGは、規模の拡大に応じて、意思決定プロセスである会議の仕組みを改善し、民主的な意思決定をめざしてきました。現状の会員数は、北大阪YEGにとっても、全国のYEGにとっても稀な規模です。その規模に応じた意思決定プロセスをしっかりと運用し、改善することが求められています。
また、組織内の情報共有の精度向上も重要です。DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が流布し、さまざまな情報共有ツールが提供されています。自社業に活かせる経験としても、積極的に活用していきましょう。

だれでも参加できる提言活動

政策提言は商工会議所の活動の一丁目一番地と言われます。北大阪商工会議所の一翼である北大阪YEGにおいても、地域の中小事業者である私たちのビジネス環境を盛り上げる策を地域に提案することは権利であり、行動することは責務です。個人、個社では難しい、行政との情報共有の機会も創出しつつ、「政策」という言葉にこだわることなく、この地域と私たちがともによくなる未来をデザインしましょう。

自ら加入したくなる仕組みづくり

会員数全国一に到達した北大阪YEGの、会員拡大の取り組みが全国的に注目されています。これまでの理事、会員拡大担当者の努力に敬意を表するものです。これまで通り、知り合いに会の魅力を伝える、個と個のつながりによる入会勧奨活動は必要です。さらに、本年度の取り組みとしては、私たち自身の魅力、強みを理解するとともに、入会される方のニーズを把握し、適切な伝え方をおこなうことで、自ら望まれて入会される方を増やすことに挑戦します。
また、新規入会を促すと同時に、退会を減らすことも重要です。そのためには新入会員の皆さんとのコミュニケーションが重要です。会の成り立ちや現状について、情報共有の仕組みについてなど、スムーズにYEG活動に参加できるようフォローしましょう。

商工会議所を理解し、利用しつくそう

令和4年度日本YEGの日本商工会議所100周年事業において、北大阪商工会議所と北大阪YEGの関係について、全国の商工会議所、YEGに向けて発信する機会を頂きました。私たちと北大阪商工会議所の関係は、全国的に見て異例なほど良好だと伺っています。先達の築いてくださったこの関係もまた、北大阪YEGの大きな財産です。私たちも大切に継承し、未来に引き継いでいきましょう
また、商工会議所の提供するさまざまなサービスがありますが、ご存じでないメンバーも少なくありません。北大阪商工会議所職員の皆さんと日ごろのコミュニケーションがあり、本会サービスを活用できるようになることは、メンバーにとっても大きなメリットになります。

お互いを知り、互いに思いやる

相身互い身という言葉があります。同じ立場の者がお互いに思いやりをもって助け合うべきであるという言葉です。私たちは業種、立場、年齢、性別と言った違いがあるけれども、YEGという強い共通項をもった同志です。お互いを知り、理解を深め、信頼関係を構築しましょう。その信頼関係が個々のビジネスにつながることも重要です。既存の取引関係の強化とともに、新たなチーム、新たなアイデアの創出に挑戦しましょう。

地域に認められ、頼られる存在に

40年の歩みの中で、北大阪YEGは地域での存在感を増してきました。かつて行われた主催事業によって、地域に大きな賑わいを創出し、現在も地域から大きな期待を寄せられています。全国には看板といえる事業を継続している単会が多くあります。負担ではありながらも、その事業に誇りを持ち、その事業が地域におけるYEGのブランド価値を高め、その事業に参加することを動機に入会される方がいるような事業です。同じ事業を継続するだけが選択肢ではないですが、毎年、地域の期待に応え続けられるような取り組みの枠組みを構築したいと考えます。
また、地域の抱える社会課題や、大きな変化に関する情報収集もおこない、地域の一員として積極的に行動しましょう。そうして地域のステークホルダーとつながりを創ることが、個々のメンバーのビジネスチャンスにもつながることを期待します。

誰に、どう思われたいのか

事実としてどうであるかということと、どう認識されているかは別であり、ある人にとってはその認識が真実になります。だからこそ、どう知られるかが重要です。多様な発信手段、表現方法がある時代だからこそ、従来の手法にとらわれず、ターゲットを絞り、メッセージを練り、メディアを選択しましょう。誰に、どう思われたいかを明確に設定し、最大限の効果を発揮する発信を行います。

連合会のつながりを地域の機会に

北大阪YEGは日本YEG,近畿ブロックYEG、大阪府青連といった連合会に加盟しています。40周年記念式典、全国会長研修会主管という大きな取り組みを通じて、各連合会とのつながりが今、強くなっています。このつながりを地域やメンバーの機会創出につなげなければなりません。全国の単会が協力し合い運営される各種スポーツ全国大会など、さまざまな交流の機会があります。積極的に参加し、また、機会を提供する側としても参画しましょう。

連合会での機会を単会のメリットに

連合会加盟単会の同志と交流と研鑽をおこなえる機会が各種大会です。第40回全国会長研修会を主管した北大阪YEGは、期待とともに注目されています。より多くのメンバーで参加し、感謝と敬意を各地で響き合わせましょう。日本YEG三大事業の一つであるブロック大会は、大阪府青連の同志である和泉YEGが主管となります。また、高知で行われる第41回全国会長研修会には主管の襷をつなぎに行きたいと思います。そして、第43回全国大会では、小松の地で全国の同志との交流と研鑽を楽しむとともに、北大阪YEGのご卒業生を盛大に送り出しましょう。
これまでのつながりから、他の連合会、単会から多数の事業への参加が案内されることと思います。これも会としての財産として捉え、しっかり向き合っていきましょう。

みんなが参加しやすい組織に

この多様なメンバーが集う組織の中で、さまざまな不具合や不都合が生じるのは必然です。時代の要請に応じ、それを解消していく取り組みが求められています。仕事観や働き方も変化していく中で、YEG活動の参加しやすい形も変化しているはずです。多くのメンバーが事業に参加しやすい工夫をし、理事に就任する敷居を下げ、よりメリットを享受してもらうための調査と検討をおこないます。会議や事業の開催方法や、振る舞いや言動も含め、互いに敬意を持ち、思いやりあえる組織でありたいと願います。そのことが中期ビジョンの達成にもつながると考えます。

個の資質、会の実力

YEGの事業に参加すればするほど、交流の機会が増え、交流の中でお互いが研鑽されます。個々のメンバーがより多くの事業に参加することで個の資質が向上され、参加率が高まることで、組織の実力が向上すると考えます。会の意義を知り、より参加意欲を高めていただくために、YEG活動に対する基礎的な理解の底上げも必要です。また、どのように参加に誘うのかという手法の精査、共有も重要です。

確かな組織運営

組織として信頼を得るためには正確な事務が必要です。基礎となるものがぶれないように整え、各活動を下支えする必要があります。
また、今年度の試みとして、各事業報告の手法を見直したいと考えています。YEGは挑戦が許される団体と考えています。その挑戦を成長につなげるためには、客観的な評価と分析が必要です。未来に向けて財産となるような事業報告をおこないましょう。

感謝とご恩返し、連合会への積極的な参加

本年度も多数の出向者を各連合会に送り出します。北大阪YEGの意図でご出向される方、先方から請われて出向される方、様々なストーリーがありますが、北大阪YEGの看板を背負って、小さくない負担を覚悟してご出向されます。会全体でしっかり応援しましょう。そして、出向先での経験を会の財産として享受しましょう。

さいごに

今こそ、メンバー同士お互いに敬意と感謝を持ち、それぞれの魅力をかけ合わせていきましょう。そして、相乗効果で生み出される革新的な魅力を北大阪商工会議所や行政、他組織、市民など地域のステークホルダーに発信し、地域の経済発展の中核を担う組織として成長していきましょう。各連合会のつながりを活かせば、一つのモデルを全国に発展させることも夢ではありません。この時代の転換点に、より魅力ある個と共をめざし、新たな一歩を踏み出しましょう。

どこへでもいける、みんなとなら。