地域社会の健全な発展を図る北大阪商工会議所活動の一翼を担うことを目的として、1982年に設立された北大阪YEGは、400名を有する全国屈指の単会として、43年目を迎えることができました。これまで各種事業および組織拡大を続けてこられた諸先輩方、長きにわたり友好な関係を継続していただいております諸団体の皆様には、ひとえに敬意と感謝を申し上げます。また一昨年実施いたしました全国会長研修会をはじめ、いついかなる時も支え続けてくれております、北大阪商工会議所職員の皆様に心より感謝申し上げます。
さて、ここ数年で著しく変化する時代の流れを感じております。ウィズコロナの下、日本経済は経済活動の正常化によりコロナ禍で抑制されていた需要の回復が続き、「SDGs」のより一層の普及や賃金上昇・デジタル化・脱炭素化への設備投資の拡大など、良い話題も耳にするようになりました。一方、近年ではロシアのウクライナ侵攻に伴う、食料やエネルギーといった商品市況の高騰、そして金融を通した影響が世界経済へと波及するなどし、それは我々の生活を脅かすものとなってきております。この大きく変化する時代の中で、我々YEGも次代の先導者として変化していく責務があります。青年経済人として、柔軟な発想と熱い情熱と弛まぬ行動力で、常に夢に挑み、新たな文化的創造に向かって歩を進めていかなければなりません。既存の価値観にとらわれず、変化を恐れず、新たな価値を創造することこそ、我々に課せられた使命であり、北大阪地域3市からなる商工会議所ならではの強みを生かし、地域と地域の繋がり、人と人との絆を深め、様々な活動に結びつけていくことこそ、地域の経済的な発展に繋がり、次代への紡ぎになると考えます。
YEGとは、若き起業家集団です。私たちがYEG活動に取り組むことができるのは、自企業の健全な経営があってのことです。そこで、会員個々の経営者としてのスキル向上のための事業を北大阪商工会議所と共に展開し、他方で北大阪YEG内外問わず知り合った人財を活かし、アイデアをぶつけ合うような機会を持つことこそ、地域に変化をもたらし、地域経済の持続的発展に繋がることを期待しております。さらには、北大阪YEGブランドの向上を踏まえた、スケールメリットを活かした市民参加型の公開例会を開催し、メンバーの帰属意識を高めるとともに、地域の活性化につなげて参ります。
会員拡大なくして会の存続無しとも言われる中、全国でも有数の会員数を誇る北大阪YEG。その道筋は、諸先輩方によって醸成されたものであり、中でも会員拡大担当者の努力にほかならぬものでありました。無論これまで通り、知り合いに会の魅力を伝える入会勧奨活動は必要です。その上で、本年度の取り組みとして、北大阪YEGブランドの向上を図り、入会時期にも変化を与え、自ら望まれて入会される方を増やすことに挑戦します。他方、入会するだけにとどまらず、新規入会者同士の絆を育み、新規入会者との十分なコミュニケーションを図ることが重要です。スムーズにYEG活動に参加できるよう、オリエンテーションや担当委員会での研鑽・交流・情報共有に努めることで、誰一人取り残さない北大阪YEGを目指します。
令和4年度に、北大阪YEGの中期ビジョンが刷新されました。我々の行動指針にあたる中期ビジョンに掲載されているとおり、新たな社会の創造に向けて政策提言をおこなっていかなければなりません。それは、北大阪商工会議所の一翼である北大阪YEGにおいて、地域の事業者である私たちのビジネス環境を盛り上げる方策を地域に提案する権利を有し、行動する責務があるからです。これまでの取り組みにより、意見や要望を提言へ昇華するプロセスを確立してまいりました。今まで以上に北大阪商工会議所職員、役所職員との交流などを通じて、北大阪YEGだからこそできる取り組みにシフトしてまいりましょう。
コロナ禍により刻一刻と情勢は変わる中、先行きの見えない中でも日々、北大阪YEGでは、時流を読み、伝統を大切にしつつ、時代に応じて新しいものを取り入れていくことを見極め、丁寧な変化を繰り返してまいりました。さらにウィズコロナの時代に突入し、さらなる進化を求められているのが現状ではないでしょうか。そこで、本年度は多くの試金石となる活動を散りばめ、変化となるポイントを創り出し、未来を変えていく取り組みをおこないます。例年通り、いつも通りという思考停止に陥ることがないよう、総会や例会、事業に勇気と情熱と創造力を注ぎ込むことで、次代の糧を探り、北大阪YEGの活性化に繋げてまいります。特に例会では、新しい文化の創造に寄与できる、チャレンジ精神にあふれた例会や、YEGメンバーにスポットを当てた、YEGメンバーによるYEGメンバーのための例会を展開することを望みます。
北大阪YEGは令和4年度に全国会長研修会を実施し、それ以降多くの他単会との交流機会をもち、日本YEG三大事業や府青連関係事業などに積極的に関わってまいりました。対外事業への参加は、他地域のYEGメンバーとの交流に繋がり、他地域との広域的なビジネスの交流の機会にもなります。本年度は、第8回商工会議所青年部全国ゴルフ大会北大阪大会の主管として開催する機会に恵まれました。令和4年度の全国会長研修会で培った団結力をさらに高め、北大阪YEGが誇る会員数を真の力として発揮すべく、全てのメンバーがこのまたとない機会に関わり、北大阪YEG同士の絆をより強固なものに変えていきましょう。また、北大阪地域内においても他団体と協力・協働を促し、大きな賑わいを生み出し続けることが北大阪YEGブランドの価値を高めることに繋がっていきます。地域に寄り添い、お互いを高めながら、地域経済の持続的発展に繋がる活動をおこなってまいりましょう。
例会や事業、委員会の出席率が低迷している中で、どれほど魅力的で会員サービスに特化した事業を構築しても、その趣旨や事業内容がメンバーの耳に届かなければ事業に出席しようとは思われません。その「変化」をメンバーに届けるには広報活動が重要となります。北大阪地域や日本YEGを始めとする連合会へ、共感や信頼を構築し北大阪YEGの価値を高めるためという、目的を明確にした戦略的な広報活動をおこなっていき、北大阪YEGブランドを確立することこそ、北大阪YEGメンバーの帰属意識を高め、事業の出席率の回復に繋がっていきます。そして、これらの活動の要となるのが総務、事務局にあたります。多種多様な人々が活躍できる組織作りをおこなう上で、時代の流れに順応した組織運営、会議体の運営は必要不可欠です。今、組織運営に活用できる様々なツールがありますが、既存の枠組みにとらわれず、常に新しいツールを模索し続けることが、会員企業の組織運営の一助となり、次代への先導者としての責任を果たすことに繋がります。変化を恐れず、中長期視点をもって革新的な会議体の運営を目指しましょう。
皆さんは北大阪YEGへどのような目的意識をもって入会していますでしょうか。先輩に誘われたとか、趣味でつながりたいなど、さまざまでしょう。この答えこそダイバーシティであり、本当の意味での多様性ではないでしょうか。しかしながら、我々は青年経済人であり、少なからず自社の発展を心から望む者の集団であります。誰かに言われたではなく、自社の広告塔としての責任を自覚し、自ら進んで意思表示をして欲しいと切に願います。まずその意識改革こそ、北大阪YEGメンバーの最初の変化として捉えていただき、次代への一歩を踏み出すべく、一緒に未来を変えていきましょう。